令和5年5月20日開催分
第1回臨床免疫化学検査部門研修会は、4名の講師をお招きし開催しました。
テーマ:検体測定を始める前に!~分析装置について理解を深めよう~
① 生化学自動分析装置の仕組み 富士フイルム和光純薬株式会社 鈴木 智明 先生
② 乾式臨床化学分析装置の仕組み 富士フイルムメディカル株式会社 高吉 尚子 先生
③ 自動化学発光酵素免疫分析装置の仕組み 富士フイルム和光純薬株式会社 福辻 真由 先生
④ 「試薬・機器について学ぶpart1」オートタキシン活性測定法について 富士フイルム和光純薬株式会社 北川 寿仁 先生
皆さん分析装置は日常的に使用していると思いますが、新年度になり新人検査技師が入職したり、ローテーションで担当部門が変わったりと、各職場で変化があったかと思います。そこで新年度初めの勉強会で、改めて分析装置について学ぼうと企画しました。
今回の研修会では、(分析装置・試薬を取り扱う)富士フィルム和光純薬株式会社より講師をお招きし、生化学自動分析装置、乾式臨床化学分析装置、自動化学発光酵素免疫分析装置それぞれについて基本的な仕組み・原理、また肝線維化マーカーであるオートタキシンについて講演していただきました。
鈴木先生には生化学自動分析装置について、測定原理や各メーカーの特徴、分析パラメータについてお話していただきました。生化学検査担当者も、これから生化学検査に携わる方にとっても吸光光度分析法(レート法、エンド法)の使い分けなど、業務中意識せずに測定しているかもしれませんが、わかりやすくご説明していただきました。
高吉先生には乾式臨床化学分析装置についてドライケミストリーの原理、分析装置(液体法)との比較についてご説明していただきました。私自身、ドライケミストリーを使用したことがなく、初めて聴くことが多かったです。ドライケミストリーの勉強会は少ない印象で、活発な質疑応答の機会にもなりました。
福辻先生には自動化学発光酵素免疫分析装置について抗体抗原反応、B/F分離(洗浄)のように、実際に分析装置で用いられている反応様式についてご説明していただきました。イラストを用いた説明は非常にわかりやすかったです。
北川先生には肝線維化マーカーであるオートタキシン、またオートワコー試薬の紹介をしていただきました。令和5年2月より保険適用となり興味を持っているご施設もあるかと思います。試薬の安定性、相関性、注意点など実際に使用する際に気を付けるべきポイントをご説明していただきました。
参加された皆さんにとって、分析装置に対して今一度理解を深めるいい機会になったかと思います。今年度も多数の研修会を予定しておりますので、皆さんのご参加をお待ちしております。
報告者:井上 雄斗(独立行政法人 国立病院機構 東近江総合医療センター)