令和5年1月14日開催分
第7回臨床免疫化学検査部門研修会は、2名の講師をお招きし開催しました。
テーマ:認知症関連検査を学ぶ~タスクシフトに向けて~
①検査技師が関わる認知症 滋賀医科大学医学部附属病院 藤村 博和 先生
②認知症診断の基礎とバイオマーカー H.U,フロンティア株式会社 福田 雅之助 先生
認知症は、日本における超高齢化社会においてますます深刻化する問題の一つであり、認知症関連検査は今後もその需要が高まることが予想されます。臨床検査技師としても一人の医療従事者としても認知症を知っておくことは今後重要になってくる課題であると考えています。今回の研修会では、認定認知症領域検査技師を取得している検査技師と、認知症バイオマーカーの試薬を扱う試薬メーカーの2つの題目から認知症について講演していただきました。日常業務においてあまり触れることが無いと思われる認知症を知る一つのきっかけになればと思います。認知症は完治しない病気です。早期発見が非常に重要であり進行を遅らせることで生活の形や介護や看護のあり方が大きく変化します。早期発見のための神経心理学的検査や今回発表していただいたバイオマーカーも加え認知症診断のアプローチは大きく変わろうとしています。さらに今後は血清検査で測定可能となります。次に、認知症領域検査技師の役割は、認知症の早期発見や病態の把握にとどまらず、認知症予防やリハビリテーション、介護など、様々な分野で求められるようになると考えられます。また、ICT技術や人工知能の進歩により、より正確かつ効率的な認知症検査や診断が可能になることが期待されます。
日本臨床検査技師会としてもまだ新しい認定資格でありこれからの認定者の増加を期待しています。医師のタスクシフト・シェアの一環として認知症に少しでも興味持っていただいた方は取得を目指して頂けたら幸いです。
報告者:藤村博和(滋賀医科大学医学部附属病院)